遠距離介護の始め方と成功させるポイント。

遠距離介護の始め方と成功させるポイント。

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【遠距離介護】という言葉。
遠距離なのに介護ができるの?とイメージがなかなかわきにくいかもしれません。
遠距離介護とは、離れて暮らす高齢の親、両親が健康な生活を送ることができるように子供がサポートをすることをいいます。

できれば、年老いた両親や親と一緒に暮らす、そばに引っ越すなどをして面倒を見てあげたい。
そういう気持ちを持っている方も多いと思います。
しかし、親の介護を考えた時、同時に、自分の家庭も子供の進学や独立、働き盛りなどの年齢であることが多いのです。
仕事と家庭、介護をすべて上手にこなすのは相当な苦労が伴います。

離れて暮らす両親が心配・・・という方のために遠距離介護について考えてみます。

遠距離介護を決断する理由

親が子供のことをいつまでも大切にいつでも心に掛けているように、子供も親のことを大切に思っています。
しかし、遠距離介護をしなければならざるを得ないということもあります。

住み慣れた土地から離れたがらない

住み慣れた土地を離れるのは、とても大きな勇気が必要です。
小さなお子さんでさえ、小学校が変わるのはイヤガルものだし、中学生も同じ。
臨機応変になれるのは高校生以降、年を取るまでの人たちです。

特に高齢ともなり、長年同じところに住んでいれば、その土地で築いた人間関係や、かかりつけの病院もあるでしょう。
知っている人がほとんどいない場所に一から生活を始めるのは不安でもあるし、お年寄りにとっては、気苦労ばかりになってしまいます。

高齢者の中には環境の変化に上手に対応することができず認知症になってしまったり症状が悪化してしまう人もいます。
義母は同じ市内で引き取り同居をしましたが、それでも、長年住み慣れた土地から離れるのは同じです。
それまで自分ひとりでなんとかやってきた、自由にしてきた分、自由がきかず、他愛ない話をする人もいなくなってしまうことになり、認知症を発症しました。
また、知人のお姑さんは熊本地震によって一人暮らしをすることを周囲が危惧し、東京に引き取ることとなったのですが、結局、認知症が発症の後、現在は施設に入所しています。

新しい環境の移住は高齢者になればなるほど心身に大きな負担がかかります。

介護する側の立場

両親に介護が必要な年齢になるころには、子供は社会的な地位を得ていたり、妻と子供がいて休日は家族との時間を大切にしている、仕事の付きあいがある、子供も進学や就職で忙しいなど、現在の生活拠点で人生を築いていることがほとんどです。
その場合、今の生活拠点を離れ地元に妻と子供と帰省し親の介護に専念することも難しいでしょう。

また、引き取れば妻側の負担が増えることにもなり家族間がギクシャクしてしまうことも、哀しいかなよくあることです。



遠距離介護を始めるための準備とは

遠距離で介護せざるを得ないとなると、準備も必要になります。
まずは現在、親がどういう状況なのか、介護が必要なのか、自立して生活をしていくことは可能なのかといったことをすべて把握すべきとなります。

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家庭内で話し合いを行うこと

親が介護が必要な状況なのかどうか、わかった場合には家庭内での話し合いが必要になります。
介護の方法、利用可能な介護サービスや介護に関わる費用など、様々な事柄を家族内で話し合う必要があります。
特に兄弟の方がいる場合には、兄弟を交えて話をすること。
「長男なんだから」
「比較的近くに住んでるんだから」
といった声が兄弟間から出ないとも限りません。

兄弟皆の親なのですから、兄弟を交えて今後のことを話し合うべきでしょう。
特に、遠距離介護の場合には、介護にかかる費用だけではなく、交通費なども考えていかなくてはなりません。

親の日常生活、交友関係を把握しておくこと

親の日常生活を把握しておくことは非常に大切です。
たまに電話をしたらつながらず、やっとつながったと思ったら
「実は今月ちょっと病院に行く回数が多くて・・・」
という話を聞かされるということもあります。

親の日常生活を把握していれば、どの時間帯に電話をすればいいのかもわかりますし、逆にその時間帯に常にいない、ということは何かあったということになります。
また、何を不自由かと感じているのかもわかりやすくなります。

親の交友関係を把握しておいて、親の友人と信頼関係を築いた上で何かあった時には対応してもらえるように頼んでおくことも大切です。
これは、本当に必要で、私も義母を引き取り数週間後に突然、家出をされた時に役立ちました。
元の住んでいた家の近所に義母がとても仲良くしている人がいたので、「何かあったら連絡させてください」と携帯の番号を交換していたのです。
家出をした時にはまだ元の家には戻っていませんでしたが、いなくなった!と気が付いた時点で、その方に連絡をしておいたところ、元の家に来たところで電話をくださいました。

本当にこういうことは必要です。
連絡先を知っていたことで、お昼ご飯に誘っていただいたり、義母が末期のがんになったことも打ち明けることもできました。
最後にお見舞いも来てくださり、葬儀にも来てくださいましたし、楽しそうな義母の遺影となる写真もくださいました。

介護施設を把握しておくこと

遠距離介護の場合には、介護と言っても、見守る親側もある程度の自立している生活ができていることが大前提です。
認知症や、身体的な事情がある場合には、どうしても一人での生活は難しくなります。

熊本からお姑さんを引き取った友人の場合には熊本にいた時点で要介護2の状態でした。
近所にご主人の妹さんがいて、毎日顔を出していたのだそうですが、地震によって、それもできなくなり、東京にいる友人の家に引き取ることになったのです。
こちらにきた際にはデイサービスの利用から始めていました。

しかし、一人暮らしの高齢の方の場合には認知症等の症状があるならば施設の利用を考えなければなりません。
施設によってもそれぞれ利用条件があるので、親にどんな症状があって、利用が可能な施設はあるのか、どんな種類のものがあるか、といったことを把握しておかなければなりません。

介護施設も公的な施設の場合には、順番待ち状態です。
早め早めの判断が大切になります。

介護にかかる費用を把握しておくこと

介護サービスを利用する場合には、介護認定をまず受けなければなりません。
介護保険を利用し自己負担額を減らすことで介護費用が若干ですが安くなります。
要介護認定を受けるか受けないか、どこで受ければいいのかわからないといった場合には、離れて暮らす親元の市区町村など自治体に問い合わせてください。

要介護認定を受けた後に、ケアマネージャーと相談し、利用可能なサービスの検討を行います。
また、介護認定を受ければ、福祉用具(ベッドやポータブルトイレなど)のレンタルや配食サービスなどの利用も可能です。

近隣の方や知人の方に声掛けをしておく

遠距離介護を続けていく場合には、周囲の方の協力が欠かせません。
身体に不自由があると、孤独感を抱えがちとなり、セルフネグレクト化してしまいかねません。
近隣の方や知人の方に、時間が合ったら様子を見てもらえるようにお願いしておくことも必要です。

最近では、救急カードなど、高齢の方がいる場合、冷蔵庫などに貼っておけるような「救急カード」が市区町村において配布されているところもあります。
「これこれこういう病気でこのようなお薬を飲んでいます」
などを記載しておくもので、何かあった時に救急隊員が駆け付けるようなことがあった時にも救急カードがあると、一目で状況を把握してもらえます。

遠距離介護のメリットとデメリット

離れて暮らしていると遠距離介護にはデメリットばかりが思い浮かぶかもしれませんが、メリットもちゃんとあります。


遠距離介護(見守り)のメリット

転居せずに済む

遠距離介護の場合に、離れて暮らす親、介護をする子、どちらも転居せずに済みます。
親も慣れ親しんだ土地から離れずに安心して暮らすことができますし、子も介護のために仕事を辞めることを避けられます。
親を介護する年齢ともなると、地元に戻ったとしても再就職も困難な年齢となっているはず。
避けられるならば越したことはないですよね。

介護保険サービスが利用しやすくなります

認知症だけではなく、脳疾患の後遺症や、寝たきりなどの場合には施設の利用の検討は必須です。
その時、遠距離介護の場合には、入所の優先順位が高くなります。
同居をしている、または近くに住んでいる場合には「介護をしてくれる人がいる」とみなされやすくなってしまうのですが、逆に遠くに離れている場合には優先順位が高くなるのです。

入所待機は保育園だけではなく、このような介護施設も同じような状況です。
少しでも早く入所できるのは、本人のためにとっても悪いことではありません。

介護の負担、ストレスが軽減

高齢である親と一緒に生活しているわけではなく遠距離介護、つまり「見守り」の状態なので、介護の負担はあまりありません。
一緒に暮らし常に関わるよりもストレスは大きく異なります。

遠距離介護のデメリット

費用がかかる

介護サービスの利用料や福祉用具のレンタル料、住宅の改修費などは介護保険の範囲内で賄える部分もあります。
(とはいえ、介護度によって負担金は異なります)
が、通信費や帰省のための費用は今までよりもかかります。
今まで以上に帰省の回数も増えますし、帰省の際にかかる交通費や手土産代などは意外とバカになりません。
小さな負担とは言えないんですよね。

何かあった場合において、迅速な対応ができない

毎日様子を見ることができないため、事故や容体の急変時に、早急に対応することができません。
本人とこまめに連絡を取りながら、ケアマネさんとも普段から連絡を取り合っていることが大切です。

遠距離介護を円滑に行うための重要なポイント

遠距離介護は、
「まだまだ自分たちで生活できる、けれど健康面において自信がなくなってきた」という親、両親。
「帰省するたびに、親が年を取って心配だ」という子供。
この両者の不安を無くすために円滑に遠距離介護を行うための重要なポイントがあります。

親とのコミュニケーションは今まで以上に密に

親は年を取ると寂しくなることが増えるようです。
その反面「子供に心配や負担はかけたくない」と思っているので、体の不調や困ったことがあったとしてもあまり言ってくることがありません。
すると、知らない間に状況が悪化してしまっている、ということはよくあることです。

連絡はこまめにするようにし、今の状況を細かく確認していくことは、後々のトラブルを未然に防ぐことができるのです。

介護費用に関しては、基本的に親のお金で

兄弟や親せきがいると、お金問題は本当にトラブルになりやすくなります。
我が家の場合には、夫は一人っ子でしたので、トラブルなく、介護費用も姑さんの年金から賄っていました。

しかし、兄弟がいる場合には、介護をよくしている兄弟、全くしない兄弟、お金も口出しもしない兄弟と、もめごとの原因となることもよくあります。
介護は親の生活の質を保つために行うものです。
ご両親、親も老後のことを考え貯金している方も多いことでしょう。
そういう場合には親ともよく話し合い、介護費用の捻出方法を取り決めていきましょう。

ケアマネさんや近所の人とも話をしておく

ケアマネさんには、正直、当たりはずれがあるそうですが、我が家の場合には、非常に親身になってくださるケアマネさんでした。
何か相談をすれば、すぐに調べてくれますし、知らなかったことも、色々と教えていただき、非常に心強かったことを覚えています。

また、親の家の近所に住む方にも日頃から気にかけていただけるように、よくお願いし、良い関係を築いておきましょう。

遠距離介護で積極的に利用すべきサービス

遠距離介護をするためには、見守りサービスなどお互いが安心できるサービスを活用しましょう。


見守りサービスを使う

大手セキュリティ会社などが行う見守りサービスや、自治体による安否確認サービス、宅食サービスなど様々な見守りサービスがあります。
郵便局も行っていますし、地域によって内容は多岐にわたります。

親の住んでいる自治体で作成された高齢者向けの冊子などを取り寄せるのもよいですし、電話で問い合わせをしてみてもよいでしょう。
また自治体の公式サイトにも掲載されていることも多いようです。

飛行機を使って帰省する時には介護帰省割引を使う

頻繁に帰省できるなら、航空会社の提供サービスである「介護帰省割引」を活用しましょう。
介護割引制度がある航空会社はJAL,ANA,SFJの3社になります。

利用できる条件として
【被介護者(親)が「二親等以内の親族」「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」であること。】
申し込みには
介護保険証・介護認定通知・戸籍謄本か抄本、現住所の記載書類などが必要になります。
*航空会社に問い合わせてください。
*介護帰省割引よりも格安航空チケットの方が安い場合もあります。

周囲の協力は必須です

遠距離介護は周囲の方の協力はなくてはなりません。
毎日、関わることができないからこそ遠距離介護となるので、周囲の方の協力を得ることが遠距離介護の成功の秘訣でもあります。
まだまだ子供の世話にはなりたくない、家で暮らしたいという親、ご両親のためにも、遠距離介護を円滑にできるようにお互い蜜に連絡を取り合いましょう。

また、遠距離と言えども介護にはお金がかかります。
介護サービスを利用する際には、親、兄弟と話し合い、お互いギクシャクしないように話し合いを勧めましょう。

多くの高齢の方は自宅で過ごすことを希望しています。
本人の意思を確認し、体調などを見ながら、最善の形を検討していきましょう。

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