ゴミが捨てられない、物が捨てられない高齢の親の心理

親,ゴミ屋敷

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片付けができない高齢の方が増えている、というニュースはTV番組などでも特集が組まれていますよね。

中でもごみ屋敷ともなると、周囲に迷惑をかけてしまっていることから、悪者のような報道をされています。

確かに、高齢の一人暮らしの方の家はごみ屋敷化することもあり、
自治体などでも対策を練られています。

家がゴミだらけになってしまう、周辺にまでゴミがあふれている状態をごみ屋敷と言いますが、そこまでいかずとも、物を捨てられず、ため込んでしまう高齢の親の方はたくさんいます。

自分の両親が片づけられなくなり、このままではごみ屋敷になってしまうといった場合にはどのように対処すればよいのでしょうか。
ゴミが捨てられない、物が捨てられない高齢の親の心理について書いていきます。

セルフネグレクト(自己放任)


私の経験談として、義母はセルフネグレクトだったのではないか、と今では思います。
当時、知っていればもう少し何か違う方法をとれたのではないか、といまだに後悔をしてしまうこともあります。

義母のセルフネグレクト

義父(当時76歳)が認知症になり、義母(当時77歳)が介護をしていた老々介護でした。義母が「まだ大丈夫だから」という言葉を「なら大丈夫かな」と思い、義父の通院や介護は母一人が担っていたのですが、義父の認知症が悪化すると共に、義母の様子がちょっと変かな?と思うようになりました。

会うたびに義母はやつれ、私たちの前でも義父を罵倒することもあり、それまででは考えられないことでした。
1か月に1度は夫が実家に行っていましたが、いくたびに実家の中のごみが増え、異臭もするようになり、義父のこともぞんざいに扱うようになってきました。
結果、義父は入院という形になり、義母を引き取ることにしたのですが、実家の中はいわゆる「ごみ屋敷」と化していました。
義父が亡くなり、義母もそのまま引き取り同居という形になって、業者に実家を片してもらいましたが、ごみ袋は200袋ではきかなかったと思います。
軽トラックを使用して大人3人で丸3日かかるほど、ゴミが溜まっていました。

このようなことは少なくありません。
実家に帰省した時に、親の老いを徐々に感じる人も多く、ケガや病気、夫や妻との死別など、老親はさまざまな出来事によって大きく変わっていきます。

義母も、ふさぎこんだり、掃除や洗濯、入浴などもちゃんとしている様子が見られなくなり、義父を介護認定してもらい施設の手続きをしよう!と話しても、拒み、孤立していきました。
この状態が進むとまずい・・・と思い、義父を入院させ義母を引き取る形にしたのですが、このような状態は「セルフネグレクト(自己放任)」と呼ばれているのだと、あとから知りました。

セルフネグレクトとは

自宅の室内にゴミが山のように積み上げられたリ、散乱して悪臭や異臭、害虫が発生する、さらには庭やベランダもゴミが山のようになる「ごみ屋敷」
さらに、周囲が医療や介護サービスをすすめても拒んだり、家のごみを放置したままの状態を「セルフネグレクト」といいます。

義母はまさに、セルフネグレクト状態でした。
最初はゴミもちゃんと捨てていたのだろうと思います。洗い物もきちんとしていたのだと思います。
それが、認知症が悪化した義父を一人でみていることで、洗いものが面倒になり、ゴミも「明日出せばいいや」となり、そのうち整理できなくなったのだと思います。

足が悪いことで、ゴミを何度も外に出すこともできなかったこともあるでしょう。
さらに、昔から住んでいることでご近所の方にも、家の中の状態、義父の状態を知られたくなかったのだと思います。
とにかくプライドが高い義母でしたから。

参考記事:老々介護の末、セルフネグレクトしていく高齢者。見守りサービスを利用すべきは一人暮らしだけではない。

プライドが高ければ高いほど、弱みを周囲には出すことができません。
周囲の人は早めに気が付いて、さりげなく、協力をすることが大切です。

セルフネグレクトをチェックしてみてください

内閣府の2011年の調査によると、セルフネグレクト状態となっている高齢者は全国に約9千~1万2千人いる、と推定されています。
しかし、一人暮らしの高齢者であったり、自治体の目の届かない部分が多く、詳細はつかめていません。
厚生労働省も自治体に対して見守りなどの対応の強化を呼び掛けていますが、なかなか難しいのが現状でしょう。

週刊朝日のコラムではチェックリストを掲載しています。

親 高齢 一人暮らし 見守り
<出典:週刊朝日「放置老人の実態 ごみ屋敷化に支援を拒み孤立も」

ゴミを捨てられない、整理整頓ができない高齢者の気持ち


連休などで実家に帰省してみたら、足の踏み場もないほどゴミやいろいろなものが溜まり、捨てようとしたり掃除をしようとすると、イヤな顔をされたり、やらなくていいから、自分でやるから!と拒否されてしまったり、挙句の果てにはケンカになってしまうことも。

こうした高齢の親には、ゴミが溜まってしまうなりの理由があり、心理があるのです。
そこを理解してあげることで、対応も変わってくるはずです。

ごみ屋敷だけではなく、家の中の整理ができない、お風呂に1人で入るのが怖い、食事も作る気力がない。
こうなるのがセルフネグレクトなので、ゴミ屋敷化していなくても、高齢になると体だけではなく、心も弱くなっていくのです。

体が弱くなり、ゴミを運べなくなり誰にも「お願い、ゴミが出せないの」というSOSを出すことができなければ、ゴミがたまってしまいます。
大切な家族を亡くしてしまった喪失感から、ゴミを貯めるようになってしまう人もいます。

体が悪くてゴミ出しができない

義母のように、足が悪くなると、ゴミ出しも昔の体力があったころのように、ひょいひょいとすることができなくなります。
ひとつたまると、もう1つ、2つになると、あぁ、出さなくちゃ、、、と思っているうちにもう1つ。
このようにゴミ袋は溜まっていきます。

その時に、近所の方や、近くに子供が住んでいれば、ゴミ出しをお願いすることもできるかもしれません。
しかし、地方の田舎となると、ゴミ出しをするにも車がないとできない、というところもあります。
車を運転することが怖くなれば必然的に、ゴミ出しができなくなってしまいますし、運転する人が入院でもしてしまえば、残されたどちらかは、ゴミを出すことができなくなってしまいます。

また、年を取り老いが進むと片づけるどころか、使ったものを元のところに戻すということさえも億劫になってきます。

膝や腰が痛ければ、立ち上がって元の場所に戻す、ということが面倒になります。するとつい、テーブルの上に置きっぱなしにしたり、そこらへんに適当に突っ込んだり、手が届くところにあるものに適当に入れる、ということがあるため、次に使うときには、どこにあったのかわからなくなってしまいます。
変なもので、そういう物に対しては記憶があるので、「あれがないと困る」と思い、また同じものを買う。ということにもつながっていき、ものが捨てられないどころかどんどん増えていく傾向もあります。

よく使うものだから、あとでわかるようにしておこう、ということが考えられず、ものの定着位置がなくなってしまいます。

この時点でSOSを出せる環境を、作ってあげられたらごみ屋敷は発生しないのではないか、と思います。

しかし、高齢の親本人も「ごみを出せなかった」「貯めてしまった」「家の中が汚い」「だから恥ずかしい」という気持ちがあるのです。

もったいない世代の心理

現代のようなものが豊富ではなかった時代に生まれ育ってきたのが、現在、高齢者となっている方々です。
「ものを持つこと」「ものを買うこと」それが豊かな証拠で幸せであるという価値観を持っています。

義母はまさにこのタイプでもありました。
つまらない余計なものに見えても、親にとっては一つ一つが価値のあるものなのです。
そこに「いらないものでしょ?」「捨てればいいじゃない」「捨てるよ?」と言われてしまうと、自分自身の価値さえも否定されてしまうような気持ちになってしまうのです。

もしかしたら使うかもしれない、いざというときがあるから、と私たちの世代からはゴミにしか見えないようなものでも、本人は、使うことがあるかもしれないし、ないと困るかもしれないから、と捨てることができません。

「これはね、買ったとき高かったんだから!」という気持ちもある物もあって、時間が経過しても、それだけの価値があると思っていれば、それだけ捨てることが難しくなってしまいます。

判断力の衰えによってものが溜まる

見つからないと買い足してしまうのは、まさに判断力の衰えでしょう。
探すのも面倒、でも見つからないと困るかもしれない。そう思い買い足していきます。

トイレットペーパーやティッシュは山のように夫の実家にはありましたが、まさにこれは「無くなった時にまた買い物に行くのが大変だから・・・」とついつい多く買ってしまうことからおこるのです。

通販の普及

テレビを見ていればテレビショッピング、新聞を購読していれば新聞広告など、お年寄りもネットを使わなくて通販は多くの方が利用しています。
家にいながらにして便利そうなもの、体によさそうなものが手に入る環境にいるため、商品の誘惑に勝てずに購入する人は少なくありません。

義母もそうでした。
夫の実家を片している時には、美肌クリームが5,6本、通販の書道セットが2セット、帽子は10個以上、明太子やメロンなどありとあらゆる通販商品が出てきました。
通販商品だけであれば、まだしも、通販で購入すると、必ず広告の紙が一緒に同封されてきます。
さらに、広告のキャンペーンのお知らせなど郵便物もどんどん増えていきます。
義実家のポストはまさに、広告の知らせの郵便物であふれていました。

日々、衰えていく中、体によさそうなもの、自宅にいながら購入できる大きなものな便利ですよね。
それは仕方のないことかもしれませんが、購入する力はあるけれど、捨てることができないのも判断力の低下なのです。

ついつい、子供も
「やってあげるから」「これ捨てるからね!」「なんでこんなになるまで・・・」というやり取りもしてしまいがちでしょう。

すると「もう!自分でできるから!」「たまに帰ってきたらグチグチ、余計なお世話だ!」ということになってしまいます。

でも自分でできていたら、そんなことにはならないんですよね。
親も高齢となれば、性格も変わってきます。まずは心に寄り添うことから始めてみましょう。

高齢の親の気持ちに寄り添うことから始めてみませんか?


ゴミを運べないようになり、ため込むようになれば家の中は汚れ異臭や悪臭を放つようになってしまいます。

義母の場合には、プライドが高く周囲に自ら助けて!ということができない人でした。
しかし、これは義母に限ったことではありません。
助けて!と言わなければならない状況というのは、人の訪問が少ない証です。これがまさに孤立してしまっている状況です。

孤立してしまうと、自分から助けて!と声を上げることができなくなります。
対人関係によって傷ついた経験から、誰かを信頼することはあきらめています。だから、支援を拒否するお年寄りも多いですよね。
「こんなになってしまったのは誰も助けてくれなかったからだ!」という心理もあるでしょう。
また、誰かに何かをしてもらうことをみじめに思う人もいます。

だからこそ、ゴミが家中にたまってしまう前に、帰省した際には、少し声かけをすることから始めてあげてください。

高齢の親の一人暮らしの家を片付ける方法

いくら身内であっても、いきなり処分するようなことはNGです。
しっかりと話し合って理解してもらってから行動に移すようにしてみてくださいね。

汚いシミだらけのお布団を捨てるのであれば「きれいなお布団頼んだから、気持ちよく眠れるよ~。だから、前のは捨てちゃうね」
洋服なども、見てカビが生えていれば、本人に「体に毒になるからね」と見せること。

納得してもらってから捨てる。ということが大切になります。

「黙って捨てる」のが一番良くありません。不信感を生んでしまうので、まずは心に寄り添うことから始めること。

「あまり帰ってこれなくてごめんね。でも帰ってきたら家事に協力するからね」と声かけしておくことが大切です。

高齢の親の自尊心を傷つけず、信頼してもらうことで、ごみ屋敷にならないように防ぐことができるのです。

まとめ


全ては、老いから起こることです。

ゴミ屋敷に住んでいる高齢の親、ゴミだらけになりそうな高齢の親の家を見て、理解できない!すぐに捨てさせなくちゃ!と思う前に、そうなってしまう高齢の方なりの心理があることはわかっていただけたでしょうか?

セルフネグレクトは悲しい言葉です。
責めるよりも前に、高齢の親の気持ちに寄り添い、一緒にこれからどうすればいいのか解決してあげましょう。

一度ごみ屋敷になってしまうと、一度キレイに片してもまた同じ状況になることはよくあります。

ごみ屋敷になる前に、サポートしてあげることも重要になってきますし、自分が年を取った時のことを考えておくことも大切でしょう。

家の中がゴミだらけ・・・と帰省した時に初めて知るのでは遅いくらいにゴミがひどくなることもあるので、普段からサポートとして、見守りサービスなどの利用も考えてみるとよいですね。

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